設立趣意書

一般社団法人スタートアップ協会設立趣意書


スタートアップとは急成長を目指す社歴の浅い会社のことを指します。スタートアップの活性化は日本の経済成長戦略の重要な柱として誰もが認識しているにもかかわらず、残念ながらその当事者であるはずのスタートアップのかかえる課題などを集約し、対策を考え、利益を代表して活動する団体はこれまでありませんでした。


これはスタートアップが特定の業界ではなく「特殊な条件下の企業群」を意味し、時間の経過とともにスタートアップを「卒業」してしまうため、横の連携が取りにくかったことに起因していると考えられます。また、スタートアップの経営者たるものは自社ビジネスに集中すべきとされる風潮も影響しているかもしれません。


ところが、純粋なスタートアップによる団体がないことは、全体的なレベルの底上げを妨げる原因となっています。実際、スタートアップ経営に関する知識やノウハウは、個人的なつながりで共有されるレベルに留まっており、公共財産として保存・共有されてることはほとんどありません。


また共有されたとしても、その知識やノウハウはしっかり検証されることがなく、間違った情報も混在してしまっています。その結果、連続起業家でもない限りスタートアップ経営者は「よくある間違い」を知らないまま、先輩経営者と同じミスを繰り返してしまうのです。


利益を代表する団体がないことも大きな問題です。国が政策を検討する際に、スタートアップとのつながりがないからとはいえ、スタートアップとは一部利益相反する投資家や専門家の意見を聞き、それをあたかもスタートアップの意見として取り入れている現状は、スタートアップのためにならないことは明らかです。


例えばベンチャーキャピタルは、優れたスタートアップに、より有利な条件で投資し、一定期間内により大きなリターンを得ることをその目的としています。総論としてベンチャーキャピタルはスタートアップの味方ですが、各論としては、投資先ではない(特に投資先の競合である)場合はもちろん、投資先であったとしても投資条件やエクジット戦略などでは、必ずしも両者の利益は一致しません。したがってスタートアップの意見は、他者をして表明されるべきではなく、スタートアップを代表する団体が直接発信していく必要があります。


そこでこうした問題を解決するため、今般、スタートアップのスタートアップによるスタートアップのための非営利団体である「一般社団法人スタートアップ協会」を設立し、スタートアップの底上げと活性化を目的とし、実態調査、情報交換、知識共有、意見集約、外部連携、政策提言などを行っていきたいと考えています。


一般社団法人スタートアップ協会 代表理事 砂川大